2019年4月から年5日の年次有給休暇の確実な取得が義務付けられています。
経営する側だけでなく労働者(働く人)も制度を知っておきましょう。
有休義務化の簡単な説明
詳しくは「働き方改革 厚労省」で調べると国が作った分かりやすいHPが出てきますので、
ここではザックリと説明します。
2019年4月以降取得分から対象
2019年4月以降に付与(もらった)有給休暇が対象です。
有給休暇は正社員の場合10日~20日分(継続勤務日数により変動)貰えますので、
その分が対象です。
※対象者は年間10日以上の有給休暇付与者になります。パートの方は条件を満たさない場合があります。
5日間の取得義務
もらってから1年以内に最低でも5日間の使用が義務付けられます。
例)2019年12月1日に有給休暇10日付与⇒2020年11月30日までに必ず5日間使用する。
罰則があります
義務を満たさない場合は経営者に罰則が発生する場合があります。
「一人当たり30万円以下の罰金」の可能性もあるようですね。
労働者にはありません。
有給休暇を使ってもらう義務は経営者の責任
勘違いしている経営者が多いですが、有給休暇を使用してもらうことは会社の責任です。
有給休暇を取得できないような状況の場合は、それを放置している会社が悪いのです。
会社ぐるみの不正行為は厳しく取り締まる?
国の目玉改革ということもあり、労働基準監督署からも注意を促す案内が出ています。
福祉施設(介護施設)での注意点
取得日は強制されません
有給休暇は自由に取れます。
会社は繁忙期(人手が足りない日等)の場合、取得日を変更してもらうことができます。
※あくまで例外的にです。いつも人が足りないなどはダメです。
会社からこの日に「有給取ってね!」は就業規則と労使協定が必要です。それが無ければダメです
有給休暇出勤も取り締まりの対象です
有給を使ったけれど、仕事が終わらないから出勤も違法です。
取得義務化を誤魔化すための手法として注意されています。
仕事が終わっていないから有給が取れない
きちんと報告・連絡・相談をしていれば仕事が終わらない責任は会社にあります。
早めに相談して現状の問題点を解消しましょう。
有給を消化できずに、最後の月に5日使用することは避けなければならないので、
上司も協力してくれます(協力しなければおかしいです)
会社の年間休日が減っていませんか?
求人票などにあった会社の年間休日の日数を覚えていますか? 覚えていない方がほとんどだと思います。実は会社が法的に決めたことが載っている書類(定款)には年間休日が少なめになっていることが多いのです・・・
「決まりより少ない⇒違法」になってしまうので余裕を持っているのですが、有給休暇の取得義務化により、その余裕をこっそりギリギリまで削る会社が現れることは間違いありません。
違法では無いかもしれませんが、信頼関係を損なう行為ですので注意が必要です。
次回の「雇用条件通知書」等の確認はしっかり行いましょう。
有休消化率の罠
求人でよくある有休消化率は法人全体を指していることがほとんどです。
そのため、有休がとりにくい施設と事務をミックスして「有給取得率50%以上」と宣伝している場合もありますので事前に確認しましょう。
まとめ
今回の働き方改革は非効率的な現状を改善するためのものです。
休日は適度にあった方が基本的には能率が上がることは常識となっていますが、
奴隷のように働かせたい会社はコストがかかるため非常に困る改革となっています。
正しい知識を得て、一方的に不利益を押し付けられないように気を付けて下さい。
介護職の方の手助けになれば幸いです。
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