5月1日の厚生労働省会見において介護職員への危険手当が検討されていることが
明らかになりました。
まだ正式な内容は発表されていませんが、現状を確認して検討内容を見ていきましょう。
現状の介護職のコロナ対策状況
国としては原則入院
国としては当初より新型コロナウイルス陽性者は原則入院としており、
その方針に変化はありません。
しかし、重症者に対する医療体制に支障が出る場合は例外としています。
具体的には軽症や無症状かつ重症化の恐れが低い患者のみ、
地方が用意する宿泊施設や自宅での療養することを認めているのです。
入院には日数がかかることも多い
入所者ということに関係なく感染症に対応した入院施設の不足があることは間違いありません。現在は感染者が少ない地方も多いですが、地方はそもそも感染症に対応した病院や検査体制が貧弱なことが多いのです。
結局、入院施設に完全な余裕があるところはもはや存在していません。
空きがあっても集団感染1つで埋まってしまうことが多いです。
平時でも施設に入所している方は入院が難しい
そして入所者特有の問題としては認知症の方が多いことがあげられます。
認知症が進み理解力の低下した方は感染を広げる可能性が高いです。
・勝手に隔離しているベッドや部屋を離れようとする(大人しく寝ていられません)
・暴れてしまい医療関係者の防護服を壊してしまう(爪を皮膚に突き立てられます)
・静かにできず、大声で喋る(睡眠不足等により他の患者への身体・精神的ダメージ)
すぐに思いつくだけでもこれだけあります。
実際に認知症のみ進んで体は元気そのものの方は平時でも入院が難しい場合があります。特に認知症が進んだご利用者様は男女問わず自分の体や他の人間に対する手加減が全く無いまま暴れまわるので手が付けられません。男性職員二人掛かりで止めに入って他のご利用者様を守ったこともごく普通にありました。
医療関係者や他の患者様を守ること、感染を広げないことを考えると非常に危険な入所者の方は簡単に入院させないのも納得です。むしろその方が良いでしょう。
薬の投与や拘束が厳しく制限されている現状では、すんなりと入院させてくれると逆に医療体制に負荷をかけたり集団感染を招きそうで恐ろしいぐらいですね。
※北海道の事例(入院の調整有)
※東京の事例(入院完了まで1週間)
危険手当の内容
自治体が設定する
危険手当自体は介護保険と同じように自治体が設定するようです。
加算のような形になるかは不明ですが、厚生労働省から提示されるそうなので全国一律になる可能性は高いのではないでしょうか。
処遇改善と同じように事務処理が必要となるでしょうから、導入しない施設がでることは十分に考えられます。
国から出るお金は自治体への補助
危険手当自体は自治体から出ますが、国が補助するようです。
しかし、全額では無いようなのでそこだけはちょっと引っかかります。
財政が非常に厳しい自治体も多く、さらには税収の激減も予想される中では財政を再建した夕張市一歩手前と言われている所では財源があるかどうか。
国の全額補助が無いことは残念です。
手当が貰えるのは陽性者がいる施設のみ
当然と言えば当然ですが手当が貰えるのは、
「新型コロナウイルス陽性者にサービスを提供している事業所です」
入所と訪問は当然対象ですが、通所は間違いなく対象とならないでしょう。
(感染者を送り迎えすることが許されるとは思えません)
また、実際に介助している職員のみなのか、同じ施設内ならOKなのかは分かりません。
金額は不明
介護職への手当の金額はまだ不明です。
ここで例として挙げるのは大阪府が医療関係者に出している手当です。
重症者等を受け入れている病床で勤務する医療従事者に対して、
日額3000円となっております。
医療関係者ではないので金額の妥当性は分かりません。
しかし、医療関係者に報いたいという強い意志は確実に励みになるでしょう。
介護職の励み、折り合いをつける材料になることが期待されます。
まとめ
新型コロナウイルスに感染した方を、介護する可能性は高いです。
しかし、行政としても介護職に対する感染時の労災適応を定め、
今回は危険手当が追加されます。
いつまで続くか分かりませんが、金銭面でのサポートが動き出しています。
頑張りすぎずに、1日1日を確実にこなしていきましょう。
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