軽度の感染者は入院できず、自宅での療養を余儀なくされる時期が近づいてきました。
現時点でも濃厚接触者によっては検査もされず自宅待機です。
自宅に帰れない入所高齢者の方はどこで療養するのでしょうか?
もちろん施設に入居したままで隔離されます。
問題点を今のうちに洗い出しておきましょう。
現在の施設の状況は様々
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2019/09/老人保健施設.png)
下記はあくまで私が知る範囲の施設の現状です。
・早い段階で面会の禁止を打ち出し、緊急事態宣言への備えも行う施設。
・近隣で感染者が判明し、慌てて動き出した施設。
・狭い部屋に大勢の職員を集めて、新型コロナに感染しないように命令する理事長。
・「困難な時だからこそ我々の力が問われている!」とサービス残業を強制する管理者。
まだ感染者の介護に備えた施設は少数ですし、経費を使わずに精神論で乗り切ろうとするなど
施設の対応は様々な状態です。
問題点
感染リスクが非常に高い
食事介助
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/03/食事介助.png)
食事介助が必要な方は、密着して口に差し出しますので唾が飛んでくることは良くあります。
しかも、ムセが強い方は喉の動きをしっかりと見ていないと誤嚥性肺炎を招きかねません。
適切な装備無しには、高確率で感染するでしょう。
入浴介助
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/04/入浴介助.png)
入浴中はご利用者様は裸ですし、呼吸が苦しくなるのでマスクはつけられません。
職員はマスクをつけられますが、当然酸素摂取量は減り、ただでさえきつい入浴介助が
さらに体力を消耗するようになります。
水もガンガン飛び交いますので、目、鼻、口のどこからウイルスが入ってもおかしくありません。
入浴介助は極力減らし、清拭で対応する方が感染リスクは減ります。
排泄介助
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/04/ポータブルトイレ.png)
排泄介助の際にもトイレで手伝いが必要な場合には、密着することが多いですし水滴も
飛び交います。
ベッドでの排泄介助の場合も体が密着することが多く、排泄物からのリスクも通常より
飛躍的に高まります。
排泄介助も元々感染症の危険度が高いです。使い捨ての備品が無ければ感染の確率は高まります。
移動介助
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/04/ベッド介助.png)
用具の発達により手を引いて移動することは、現在では減りました。
しかし、手引きによる移動は今もあります。
体を起こしたり、寝せたり、椅子に座る、椅子から立ち上がるなども密着が必要です。
むしろ、密着しなければ危険です。
動かなければ感染の危険は減りますが、体の衰えは加速します。
出来る限り、身体機能は維持したいところですね。
備品の無さ
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/03/防護服.png)
病院ほど感染症用の備品はありません。
ノロウイルス対策として使い捨てエプロンは用意しているはずですが、
決して多くはないでしょう。
必要なものとして
・体を覆う保護具
・目を守るゴーグル
・髪を守る帽子
・マスク
これは最低限なければ、介助する職員へも感染が広がっていくでしょう。
病院ほど支援が受けられない
![](https://kaigo-gimon.com/wp-content/uploads/2020/03/開業医.png)
医療崩壊を防ぐことが多くの人にとって一番大事なことは常識となっています。
福祉崩壊は言ってしまえば、ごく一部の人の問題であり、優先度は下がるでしょう。
当然支援は、後回しになります。
まとめ
非常に厳しいことが想像されます。
千葉県の障害者福祉施設の例では感染判明までの間に職員の50%が感染、
ご利用者様も65%が感染する事態となっていました。
そして陽性となったご利用者様は施設内で隔離・治療を行っています。
十分な支援を受けれないまま、職員自身・家族にまで感染を広げるような事態だけは、
避けれるように努力していきましょう。
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