利用者様からの暴力が全くないという施設は聞いたことがありません。
認知症の方を付き合っていく中では避けては通れないものです。
基本的に相談員やケアマネージャーが対応を検討します。
もちろん介護職員の意見も参考にするはずですが、
あくまで介護職としては提示された対応方法に乗っ取った現場の詳細を詰めていきます。
対応の一例
認知症だからしかたない。ただ受け入れる。
古い施設で稀にあるのですが、認知症だからどうしようもない。
暴力行為を妨げることが本人の意思を妨害することになるという考えです。
近年、こういった施設は淘汰されてきましたがまだ存在しています。
この考え方は他のご利用者様、職員にとっても大きなデメリットがあるだけではなく、
当事者であるご本人にも悪影響を及ぼします。
あなたに組織を変える意思が無いと、現場としては手詰まりですね。
職員のマンツーマンマークで隔離して受け入れる
職員を犠牲にして他のご利用者様を守る方法です。
直接的な被害は職員だけに限定されますが、オープンなスペースで行った場合は場の雰囲気も険悪なものとなってしまいます。かといって閉鎖的な場所では拘束に該当してしまったり、物音で逆に職員が虐待をしていると疑われる可能性もあります。
誰か人が居る、話し相手をするだけで落ち着かれる方も少なからずいらっしゃいます。
施設に慣れて改善されることを期待して職員を1人専属で付けることもありました。
(人員不足が深刻化している現在では難しいかもしれません)
受診をすすめる
こちらは他の対応方法と並行して進める場合もありますが、
利用前に精神科をおすすめることもあります。
体験や見学などで利用が厳しいと思われた方はこちらの対応になることがあります。
利用を拒否する
最近増えてきていることが利用を拒否することです。
職員数の減少により対応が出来ない場合や、手間が非常にかかるかたはコストパフォーマンスが
悪いため最初から受け入れ無いという対応になります。
施設としての役割が果たせないということもあり、役所やケアマネージャーの印象が悪化します。
しかし、それでも利用を拒否する施設が増えてきています。
まとめ
現在主流なのは暴力的な方は理由を付けて受け入れない施設です。
そして受け入れてくれる施設には、暴力的な方が集まってしまいがちです。
- ①暴力的なご利用者様を受け入れる
- ②暴力行為を日常的に見ることになり施設の雰囲気が悪くなる
- ③一般的なご利用者様が他の施設へ変更する
- ④利用者数の減少
- ⑤利用者数を増やすため、他の施設で利用を断られる方も受け入れる
- ⑥さらに雰囲気が悪化
- ⑦一般的なご利用者様がさらに減少
- ⑧ご利用者様の総数が減るが、暴力的な方の割合が多くなり現場が疲弊
- ⑨職員の離職が相次ぐ
- ⑩ご利用者様の総数が減ったので職員の補充は無し
実際に上記のような施設もありました。
当然、現場が回らなくなってまいましたので悪い例ですね。
理想を言えば暴力的な方にも対応すべきなのは間違いありません。
しかし、現実的に施設のことを考えると一定以上のラインの方はお断りすることも
現在ご利用中のご利用者様のことを考えると必要かと思われます。
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