今では当たり前に耳にするようになったヒートショック。
一般的にはお風呂場での出来事の様に思われていますが、
ヒートショックは寒暖差が大きい場所ではどこでも起きます!
ヒートショックは血圧の急激な上下によって引き起こされる、
心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)等の症状だからです。
今回は介護職員の目線も入れて気を付けるポイントを紹介していきます。
危険な場所
トイレ
トイレ内の暖房器具は出来れば建築・リフォーム時に付けましょう
ご家庭でトイレに暖房器具がついている方は少ないのではないでしょうか?
冷え込んだトイレでの排便は血圧を急激に変化させます。
気温と排便による相乗効果で急激な血圧の低下が起こりえるのです!
後付けの暖房器具としては電気ストーブ・セラミックヒーター・パネルヒーターがあります。
しかし、高齢者向けとして水分がかかった際や汚した場合の手入れが難しく、
火災の危険性も非常に高くなります。
リスクの選択になりますが、建築・リフォーム時点での暖房設置をおすすめします。
暖房便座は電源を入れっぱなしでOK!
暖房式の温かい便座について、夜間は節電のために電源を抜いている方がいらっしゃるかもしれませんが冬季については電源を抜かないことをおススメします。
冷たい便座に勢いよく座った高齢者が、冷たさに驚いて亡くなった事件がありました。
いつもは暖房式の便座を使っていたのに、偶然電源を抜いてしまったままだったそうです。
同じような経験をされた方がいらっしゃるでしょうが、ただこれだけで高齢者の方には死のリスクが高まるのです。
暖房便座の電気代は月に300円から500円ほどです。
小まめにコンセントを抜いてリスクを上げるだけの電気代ではないでしょう。
余談として、通いの施設は無駄な経費を避けるためにコンセントを抜くことを、
義務付けられていることが多かったです。
通所介護勤務の職員は朝に便座の電源を入れることをお忘れなく。
(最近の便座は節電コントロール付きなので24時間入れっぱなしもあります)
浴室
浴室は本当に人がよく無くなります。
私も訪問介護をしていた際は、返事が無いときの安否確認で浴室を除くのは怖かったです。
まずは準備から
血圧の変動を招く行為の後には入浴しないことが大事です。
・起床直後は入らない
・食事直後は入らない
・飲酒直後は入らない
・薬を飲んだ後には入らない
ダメな条件が多いですが血管に関わる病歴がある方はここぐらいまで気をつけるべきです。
そして、体内の水分量を調整するために
・水分を取ってから入浴する(お酒はダメ)
さらに入浴後も水分を補給しましょう(ここでお酒は可)
着脱室、浴室は事前に温める
備え付けの暖房器具が一番ベストです。
火災の危険が少なく安全に温められます。
コンセントからの暖房器具を使う場合は、感電に気を付けて下さい。
使用後は必ず電源をOFFにして火災に注意しましょう。
その他の手段としては、浴槽に貯めたお湯で着脱室や浴室を温める手段です。
浴槽の蓋を全開にしないでも、半分開けて10分待つだけでも寒暖差は急速に縮まります。
難点としては追い炊き出来るお風呂でないと真冬は冷めすぎることと、
着脱室まで湿気でおおわれることですね。
介護施設では着脱室と浴室を温めないことなどということはまず考えられません。
基本的に床暖房やエアコン、大きい所では全館暖房も入っており寒いところは無く快適です。
見落とされやすい外出時
あまり報道される機会は少ないですが外出時もヒートショックの危険性があります。
特に高齢者は寒暖差に気が付きにくいので特に注意が必要です。
しっかり防寒対策を行い外出しましょう。
特に首回りは冷えやすいのでマフラーをしたり、首まで覆う上着などでの対応が必要です。
まとめ
ヒートショックの対策は必要です。
でも、いくら気を付けていても絶対に大丈夫はありえません。
もし身近な方が倒れた時は助けてあげてください。
しかし、必ずあなたの安全を確保したうえで助けてることを忘れないで。
入浴中に亡くなった方を助けようとして、一緒に溺れてしまうことも多いのです。
まずは誰でもよいので助けを呼ぶことをおすすめします。
最近は救命講習を受けている方も多いです。
誰か1人でも助けを呼べれば視野が広がります。1人が2人になります。
手分けして救急車を呼ぶことや、AEDを持ってくることもできます!
自分の安全を守らなければ倒れている人を助けることも叶わない。
このことを覚えておいていただければ幸いです。
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