7月28日に高裁の無罪判決が出た特養おやつ事故を考察します。
詳細を知りたい方は「特養おやつ事故」で検索してください。
※この記事は介護職員による個人的な解釈です。
法的なことは専門家にご相談ください。
事故の内容
- ①初期状態
おやつが常食のご利用者様が特養に入居中
- ②食事形態変更
事件の1週間前におやつを常食からゼリー食に変更
- ③介護の申し送り
介護職への申し送りとして食事形態変更記載
- ④看護の申し送り
看護の申し送り事項として食事形態変更は無し
- ⑤事故発生
看護師が食事形態変更を知らずにドーナツを提供、窒息。
(本来の業務ではなく介護の手伝い) - ⑥ご利用者様死去
事故発生1ヵ月後、ご利用者様亡くなる
(原因については判断が分かれている) - ⑦看護師が訴えられる
業務上過失致死罪(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)で訴えられる。
- ⑧地方裁判所
1審、有罪
- ⑨高等裁判所
2審、無罪
この訴訟の衝撃

高齢者が誤嚥して、喉に詰まらせることは日常茶飯事とは言いませんが普通に起こりえることです。施設に入居していない自立している方ですら誤嚥して亡くなる方は後を絶ちません。
施設の見守りミスでなど、事故が起きた場合は施設が掛けている保険などで対応してきました。
今回は、落ち度があったものの不可抗力の事態で看護師個人が訴えられてしまったのです。
法人・施設ではなく
個人にも重い責任を負わせる可能性を示す訴訟です。
有罪がもたらすもの

例えば夜勤中に、足が悪いが自立度の高いご利用者様が転んで亡くなりました。「はい、歩行が悪いことを知っていたから夜勤中のあなたの責任です。犯罪者ね」と言われたらどうなるでしょうか?
この訴訟により危険性を徹底的に避ける施設も現れました。
転倒の危険がある方は受け入れない、歩かないことを条件とする。
誤嚥の可能性を排除するため、おやつはゼリーのみ。さらにはおやつは必須ではないので、おやつの提供を取りやめるなどです。
健全な生活とは言えないですが、職員を犯罪者にするわけにもいきません。
現在の介護現場は職員1人に対して10数人のご利用者様で成り立っていますが、1審の判決はその実情を破壊する有罪だったのです。
誤解しないように
ゼリー対応のご利用者様に誤って常食を出しても責任は無い?

そう言う意味の判決では無いでしょう。
今回訴えられた職員は看護師であり、介護の手伝いをしてくれた際の事故です。
※看護の手が空いた際に手伝うことはよくあります。
看護の引継ぎとして「食事形態の変更」が申し送り事項になかったことが無罪の理由に挙げられています。
食事形態変更を知らなかったならば介護職も問題無し?

食事形態変更を介護が知らないことが大問題です。
食事形態変更は当然申し送りに値する事項ですし、本人の確認ミスで知らなかったのならば職務怠慢と言われても仕方がないでしょう。
※申し送りを確認しない、引継ぎを真面目にしない職員は一定数います。なぜそんな職員を雇っている?と言うかと人手が足りなくて体が動いて丈夫なら、どんな人間でも雇うしかないから。やる気のない職員を指導するのは本当に辛くて涙がでます。
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